映像ミキサーとは、2つ以上の映像をMixする為に使用する機材です。
放送局で使われているプロ用の何百万円もする機械から、今回ご紹介するRoland社の[V-4]まで様々なタイプが発売されています。
ただ、最近は民生用として安く購入出来る機械はほとんど無くなってしまいました。
VJにおいては、パソコンのVJソフトには出来ない表現や、レスポンスの高いMixが出来るため、クラブVJの必需品となっています。
Roland社から以前出されていた映像ミキサー[V-5]の後継機として発売された映像ミキサーです。
※本稿はVJの為のメールマガジン[X-Fader]を書かれているD-Style氏の許可のもと、メルマガで紹介された記事をもとに掲載しています。
VJ&Sound「X-FADER」
http://www.big.or.jp/~3rdeye/XFADER/xfader.html
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とてもコンパクトで2.3Kg(ちなみにV-5は3.8kg)
電源がACアダプターなので、コンパクトになり、電源回路が匡体の外側にあるのでローノイズ設計がしやすく、しかも、ローコスト設計にできる。(一般の電子機器全般にいえる傾向)
DJミキサーに近い外観で、ミキサーのパネルを真上から眺めると、分りやすく左半分がA-ch、右半分がB-chというように、視覚的に理解しやすく分けられています。
コンポジットが4系統、S入力が2系統、TBC(タイムベースコレクター)による映像の乱れの自動補正がかかります。
コンポジットが2系統、S出力が1系統、プレヴューアウトが1系統プレヴューアウトにモニタを繋いで、コントロール専用の画面にしてプレイすることができます。
1系統ずつV-LINKに対応。(V-Link対応機器をV-4に接続した場合、それらの機器のV-LinkボタンをONにするだけで、必要な外部ビデオ関連機器のMIDI設定が自動的に行われます)主なV-LINK搭載電子楽器には、新製品のシンセサイザー「V-Synth」や「Fantom-S」などがあり、シンセサイザーに搭載されているMIDIコントローラーを動かせば、V-LINKの設定に従ってV-4の映像コントロールが可能になります。
例としては、D-BEAMコントローラーという、光のセンサーによってテルミンのように手をヒラヒラさせるだけで反応する仕組みを使えば、V-4の映像をシンセから遠隔操作できます。もちろんシンセの音もフィルターやエフェクターなどがアサインされていれば、その動きにぴったり合った映像効果が得られるという優れものです(このあたりは残念ながら2/1のセミナーでは詳しく触れられませんでした)。それからMIDIインプリメンテーションチャートの受信側に記載されたコントロール情報を使えば、V-LINKが搭載されていないMIDI機器でも、もちろんいろいろなV-4の遠隔映像コントロールが可能です。音楽用シーケンサーにV-4用コントロール情報を打ち込みして、音楽と映像がシンクロしたミュージックビデオを作り上げることも簡単にできます。
私は耐久テストしたわけではありませんが、実際に触った感触からすると、V-5譲りの強固な作りになっていて、ダイナミックにガチャガチャと切り替えても全然平気なようです。
今回のV-4のフェーダーの目玉でもある、横取り付けタイプのフェーダーですが、4つの+ネジをドライバーでくるくる取り外して、三角の印に合わせて誰でも簡単に取り付け方向を変更できます。方向を変更する時に、引っぱりだし過ぎると内部の配線が切れてしまうので、その部分だけは慎重に行う必要があります。
イベントの前に予めネジを外して横付けにしてみたのですが、フェーダー内部接続のコードがやけに細くて華奢で短いので、ちょっと引っ張っただけでアウトという感じでした。それこそ1cm以上持ち上げたらもうダメって感じです。このあたりはもっと余裕をとって長めにお願いできればと思うところでした。
強いて言うならDJミキサーみたいに直線の動きだと有難いです。理由は簡単で曲線に対して、直線フェーダーの動きの方が長時間使っていて疲れないからです。
A-chとB-chにそれぞれ1~4までの入力に対応したセレクトボタンがついていて、簡単に選び直すことができます。
例えば、入力の1と2の関係を簡単に入れ替えたりできます。
2つのVJチームがVIDEO入力を2つずつ使うだけのセッティングなら、交代時もスムーズにインプットセレクトのボタンを押すだけで完了してしまいます。
A-chとB-chにそれぞれに同じ映像を割り当てることもできます。そうすることによって、V-4をDVE(デジタルビデオエフェクター)だけに使うことも可能です。A-chとB-chでは各々違うエフェクトが割り当てられるので、入力が同じ映像でもエフェクトを通した後の映像同士で切り替えても面白い効果が得られます。
V-5にはなかった便利機能。サウンドを聴きながら切り替え速度を認識できます。
フェーダーの斜め上にあるBPM SYNCボタンを押すと、簡単にオートフェーダーミックスが可能になりますが、このBPM SYNCのテンポをこのツマミで簡単に合わせられます。
もう1つBPM SYNCのテンポを、曲を聴きながら、どのくらいの早さなのかをタップボタンで、リズムのテンポを叩くことによって自動的に合わせられる機能です。簡単ですが、リズム感は必要です。
外部シーケンサやリズムマシンなどのMIDI機器のMIDIクロックを受信して、BPM SYNCによる映像MIXが可能です。
唯一残念なのは、ここまでBPM機能が充実していて、MIDIのリアルタイムクロックを送信できないところです。これが可能ならV-4の映像MIXをマスターにして、打ち込みのシーケンサーによる音楽のテンポを強制したりできてこれができると更に面白いことができると思います。とはいうもののV-5にはなかったMIDI OUT端子が付いたのはとても偉いと思います。ROMの焼き直しだけでMIDI機能のバージョンアップ実現可能なら是非実現して欲しい機能です。
白または黒にフェードするコントロールが、ツマミ1つで可能です。ツマミの中央がニュートラルで普通の切り替えをするセッティングです。カラーインサートとはフェーダーをAからB、もしくはBからAに切り替わる途中に挟み込むものなのですが、V-5ではそのカラーやエフェクトも選べましたが、V-4ではそういった機能が廃止された分、良くいえば、フェーダーまわりがスッキリして分りやすくなり、フェーダーとは関係なく独立したツマミによるコントロールであるために、V-5にはできない、切り替えながら画面がフェードして行くような効果を狙うことが可能になりました。
AかBのどちらかのチャンネルにフェーダーを倒しておいて、トランスフォーマーのスイッチで、画面を切り替えられます。押した時だけフェーダーを倒している反対側の映像が出ます。
オーバーラップさせながら、AとBの映像を切り替えます。通常最もよく使われるであろうクロスフェードのMIXモードです。
200種類以上のワイプ用パターンから設定しておいた画面切り替え用のパターンで移行しながら2つの映像を切り替えられます。
エフェクツは同じチャンネル内で、2種類同時使用できない組み合わせもありますが、基本的には、ボタンを複数押したままにして同時使用できるうになっています。
コマ落としの様な効果で、コントロールツマミで設定されたスピードで段階的に速く<---->ゆっくりの間で映像が展開されます。
映像をコントロールツマミによって輝度の反転や、色の反転として変化します。反転する部分が多彩に変化するので、入力された映像によって非常に面白い変化が期待できました。
映像に着色をするのですが、コントロールツマミによって着色のパターンが変化します。カラーライズも入力映像によって効果がかなり変化します。簡単にビデオアート効果が出せるとでもいいましょうか...。一見サイケデリック効果好きな人が好みそうで、かつ実際面白い効果ではあるのですが、映像ソース自体の色の変化やコントラストが強い場合には、色同士が主張しすぎてしまい、割と有りきたりな画面になってしまうので、そういう用途にはあまり向かないかもしれません。どちらかというと、色情報の少ない画面や、モノクロ画面などにわざとかけるといい感じです。イベントVJの現場で映像ソース自体の色深度が浅過ぎて、色の変化があまり感じられにくい時にこのカラーライズ機能を使ったことがありますが、そのようなときには色の印象を強調できてとても重宝した覚えがあります。
画面分割を行います。ツマミを回すと、分割数を変化させられます。マルチとミラーの組み合わせ効果は面白いです。インプットセレクターでAchとBchの両方に対して同じ映像を選んでおいて、クロスフェードさせると、映像の増え方が変化してとても面白い効果が得られます。
画面をミラーリングする分割数が変わります。このミラーリングは万華鏡のような合わせ鏡効果なので、入力映像次第で簡単にドラッギーな映像を演出できます。私はこういう効果をかなり専門的に愛しているので(笑)、マルチやルミナンスキーと合わせて楽器のシンセサイザーのように、ツマミをグリグリ回してDVE(デジタルビデオエフェクター)機能を堪能していました。
画面合成ができます。映画の撮影等で使われるブルーバックの映像に対してのみかかります。ツマミで抜き加減が変化します。普通は青をバックにしたムービーなんかあまり使わないと思いますが、映像マジックを本格的に行うには欠かせられない合成機能です。(セミナーのときこの機能を具体的にうまく説明できなくてとても悔しい思いで:笑)
映像の輝度(明るさ)に反応して、画面を合成します。コントロールツマミで色の抜き具合を調節します。予めクロマキー合成用の青バックを用いなくとも手軽に抽出の具合をツマミでコントロールできます。普通はこのツマミは固定して使うものなんでしょうけど、グリグリといじりながらミックスするととても美味しい映像が溢れだして来ます(笑)。
画面の中に画面を配置することができます。通常プレゼンテーションのような地味な使われ方が一般的ですが、VJ的にはちょっと特殊な使い方ですがフィーバック映像を作るときに使うとエフェクトとして生かすことが可能です。V-4は豊富な入出力があるので、Sでもコンポジットでも構わないので出力の一部を入力にリコネクトすると、映像のループが起きて、とても鮮やかなフィードバック映像が現出します。
1番が工場出荷時の状態で、2~8がユーザのエフェクトをはじめとするいろいろなセッティングを記憶させられます。
インプットセレクトボタンの1と4を押しながら電源を入れるとプレゼンテーションモードに入ります。戻す時も同じ操作です。インプットセレクターの働きが、PinP用になっていて、背景用と小画面用に振り分けられます。BPMコントロールダイヤルは、画面切り替えエフェクトを(1秒~4秒の)時間設定になります。
プレヴューアウトの1とoutputのボタンを押しながら電源を入れると、切り替わります。戻す時も同じ操作を行います。
<主なもの>
下はローランドホームページでも確認できます。
| [入力] | V-4 | V-5 |
| S端子 | 2 | 2 |
| コンポジット | 4 | 2 |
| 音声 | × | 2(L+R) |
| [出力] | V-4 | V-5 |
S端子 |
1 | 1 |
| コンポジット | 2 | 1 |
| 音声 | 1
(オンスクリーン機能、入力1~4、出力確認) |
1 |
| [機能] | V-4 | V-5 |
| フレームシンクロナイザー | 2系統独立 | 1系統 |
| タイトル/静止画機能 | × | ○ |
| PCカードスロット | × | ○ |
| スキャンコンバーター | × | ○ |
| Tバーの取り付け方向 | 縦、横 | 縦 |
| MIDI IN | ○ | ○ |
| MIDI OUT | ○(スルー対応) | × |
| V-Link | ○ | × |
| パネル面設定の記憶 | ○ | × |
| 電源 | ACアダプター | AC電源 |
| [エフェクト] | V-4 | V-5 |
| ミラー | ○ | × |
| マルチ | ○ | × |
| シェイク | ○ | × |
| カラライズ | ○ | ○ |
| ソラリゼーション | × | ○ |
| クロマキー | ○ | ○ |
| ルミナンスキー | ○ | ○ |
| PinP | ○ | ○ |
映像処理 |
NTSC/PAL方式:ITU601、 サンプリング:13.5MHz,4:2:2(Y:b-Y:R-Y)/8ビット、 フレーム・シンクロナイザー2系統 |
| 映像切替エフェクト | オーバーラップ、ハード・エッジ・ワイプ、 ソフト・エッジ・ワイプ、マルチ・ボーダー・ワイプ |
| 映像エフェクト | スチル、ストロボ、ミラーリング、マルチ・スクリーン、シェイク |
| フィルター・エフェクト | カラライズ、ネガ、ソラリゼーション |
| 合成エフェクト | ピクチャー・イン・ピクチャー、クロマ・キー、ルミナンス・キー |
| 映像入力 | 4ピンミニDINタイプS映像2系統(1、2)、 RCAピンタイプ4系統(1、2、3、4) ※入力1、2については、S映像優先 |
| 映像出力 | 4ピンミニDINタイプS映像1系統、 RCAピンタイプ2系統+プレビュー1系統 ※プレビューは、入力1~4及び出力の切換映像+オンスクリーン機能 |
| コントロール | MIDI端子(IN、OUT)、 V-LINK機能搭載(MIDIによる映像切換制御)、 BPMシンク機能、 TAP機能:タッピングによる音と映像の同期機能 |
| 電源 | ACアダプター(付属) |
| 消費電流 | 1500mA |
| 外形寸法 | 225(W) × 295(D) × 105(H) mm |
| 質量 | 2.3Kg |
| 付属品 | ACアダプター/取扱説明書/切替エフェクト一覧表/保証書/ビデオ・フェーダー取り付け用のネジx4本(予備用 |